iKILL /3

極めて渡辺浩弐氏の作品らしい展開で安心して読める。
私は氏の作品はファミ通のコラムの頃から愛読者なので殆ど読了しており、
どうしても既存の作品の二番煎じ感は否めないのだがここから入る人にはお勧めな作品。
思うに、大多数の1999年のゲームキッズの頃の読者もすっかりゲームおやじになってしまい、
当時のSFは現在のスタンダードになっている為、その都度ある程度の補正措置が必要になってくる。
あの頃のSFはもう当たり前になっていて、ちっともリアリティがなく寧ろ滑稽になっている。
今作品もある程度流行の残虐同人表現テイストを加えてそれっぽくなっているのか
と思いきや穢身に対しての嫌悪的表現に溢れていて快楽表現としての死体損壊に留まらない点が
非常に興味深い。 あまり、突っ込んで書くとネタバレしそうなのでこのあたりで・・


iKILL (講談社BOX)

iKILL (講談社BOX)